Matsuya Ginza
松屋銀座はmatsuyaginza.comの公開を控えていましたが、そこで買い物をする可能性がもっとも高いお客様は、すでに店内を歩いていました。私たちは、2つのフロアにわたる5日間の店頭施策を設計し、制作しました。LEDスクリーン、ポップアップストア、巨大なオリジナルガチャマシン、ショーウインドウ、そして新サイトでの会員登録につながる一連のデジタル体験です。
松屋銀座がmatsuyaginza.comに迎えたいと考えていたお客様は、すでに館内にいました。フロアを歩き、売り場で買い物をしている方々です。しかし、前の週まで存在しなかったオンラインストアのために、わざわざ足を止めて会員登録をする理由はありません。
だからこそ、立ち上げはその場でお客様に届く必要がありました。5日間、2つのフロア、クリスマス商戦の真っただ中、そしてこれまでお客様にデジタルの登録を求めたことのない百貨店、という条件です。
売り場のすべてが、同じ場所につながっていました。ガチャマシン、ビューティカート、ウインドウのスクリーンに置くキャラクター、B1Fのウインドウに残す願い事。いずれもQRコードからmatsuyaginza.comが開き、何かが始まる前にログインまたは会員登録をお願いする仕組みです。
私たちはこの導線を、混み合う売り場で目を引く瞬間から、その30秒後に手元のスマートフォンに表示される画面まで、一貫して設計しました。あわせてECサイトと密に連携するよう構築し、ショーウインドウの前で作られたアカウントが、そのまま新しいオンラインストアで買い物に使える本物のアカウントになるようにしています。
売り場のスタッフが使うツールも私たちが開発しました。ブランドアンバサダーがお客様を検索し、ノベルティをすでにお渡し済みかどうかを確認できる仕組みです。5日間、2つのフロア、同時に動く複数の施策のなかで、景品の配布を混乱なく管理できたのは、このツールがあったからです。





キャンペーンのロゴは、ピクセルで組んだ松でした。モバイルゲームは、この松を中心に設計しています。画面はひとつ、ルールもひとつ。遊び直すたびにスコアを伸ばせて、その日のランキングも表示されます。ブラウザで動くため、店内でコードを読み取ってから遊び始めるまでに、インストールは一切必要ありません。
プレイ回数は80,000回に達しました。数字が現実のものとは思えず、クライアントに報告する前にカウンターを3回確認しました。
ビューティカートは、スタッフが1名付き、化粧品のサンプルを載せて売り場に立っていました。コードを読み取り、アカウントを作れば、その場でサンプルを持ち帰れます。5日間で5,741件の読み取りがありました。
キャンペーン全体を、この組み合わせの上に設計しました。そして、次に活かすべきはまさにこの点です。スクリーンが注目を集め、実物の景品がそれを行動に変えます。どの施策も、最後には形のあるものにたどり着くようにしました。サンプル、ギフト、あるいは最大10,000円分のクーポンが当たる抽選への参加です。デジタル体験は人を引き寄せ、その場にとどまる理由をつくります。一方で、売り場で30秒を使って登録する価値があると感じさせるのは、手に取れるモノです。小売の世界では新しい考え方ではありませんが、案件が「デジタル」という言葉とともに始まると、つい忘れられがちな点でもあります。
デジタルだけでなく、フィジカルな施策も私たちが制作しました。1FのショーウインドウとLEDウォール、天井から吊ったピクセルの雲、色を敷いた床。緑の柱、LEDスクリーン、装飾キューブ、そしてオリジナルのガチャマシンを備えたポップアップストア。地下鉄出口に面したB1Fのショーウインドウ。そのなかには、Tom Ford、La Mer、Louboutin、Ferragamo、Roger Vivier、Stella McCartney、Miller Harris、Glenmorangieのために制作したパートナーブランドのウインドウも含まれます。
クリエイティブディレクション、映像制作、ソフトウェア開発、造作、設置を、ひとつのチームがひとつのスケジュールで担いました。1年でもっとも忙しい時期に、動かせないオープン日を抱える小売のクライアントにとって、これはひとつの計画を承認するだけで済むのか、夜間施工のなかで5社の協力会社を調整するのかという違いになります。
12月22日、松屋銀座は店舗入口のひとつにカートを1日だけ再登場させ、自社のニュースレターで「大好評」と伝えました。ピクセルの松と緑のカートを目印にしてほしい、という案内も添えられていました。私たちからお願いしたことではありません。
キャンペーン終了から3週間後に、クライアントが自らの判断でひとつの要素を再び使う。これは、私たちがここに書けるどんな言葉よりも確かな評価だと考えています。
クライアント:松屋銀座。クリエイティブディレクション、体験およびユーザージャーニーの設計、すべてのデジタル体験とWeb開発、映像・グラフィック制作、デバイスのリアルタイム同期、フィジカル施策の設計・造作・設置をGimbal Cubeが担当し、ECサイトとの密な連携も実現しました。会場:松屋銀座本店 1F・B1F。
5日間のローンチキャンペーン期間中に、matsuyaginza.comで登録されたアカウント数です。
ブラウザで動く、ピクセルの松のモバイルゲームです。
matsuyaginza.com上のキャンペーンページ全体の合計です。
施策ひとつ、スタッフ1名、5日間の数値です。
東京、Paris、Los Angelesを拠点に世界中のブランドのサポートをしています。
イベント会場へ出張し、機器の設営、保守も大得意です。