毎回、自分を作り変える - Digital Explorers' Diary #45

Digital Explorers' Diary #45へようこそ。
インタラクティブ技術、AI、web3、センスメイキング、起業、心理学をめぐる、考えるきっかけになるトピックを厳選してお届けします。
今回の要点:
- たとえ最初がうまくいったとしても、同じ創作パターンを繰り返さないためにどうすべきかを考えます。
- ヘッドセットとコントローラーの位置だけからアバターの全身の動きを再構成する、Metaの見事なデモ。
- Apple Vision Proのアクセサリーと、とてつもなく高価な限定版。
- そしてゲーム業界におけるAIの活用と規制。
体験をつくるときは、自分を作り直そう
あなたを最も重くするものは(中略)過去である。不要な執着、使い古された型の反復、そして過去の勝利と敗北の記憶という形をとった過去だ。意識して過去と戦い、いまこの瞬間に反応するよう自らを強いなければならない。
— ロバート・グリーン『戦争の技術』
6月30日、ポケモンGOの生みの親であるNianticが人員削減を発表し、最新作NBA All-Worldを終了、開発中だったMarvelの体験も制作を打ち切りました。
何が起きたのでしょうか。コロナ禍における過剰採用が一因かもしれません。パンデミックの間、多くの広告代理店が現地イベントからオンラインへ切り替え、Nianticは業界をリードするプラットフォーム8thWallで大きな成功を収めていました。
しかしおそらく最大の理由は、ポケモンGOの構造をそのまま、革新なしに使い回し続けたことにあります。ポケモンという題材が持つ無限の可能性、限定のモンスターを捕まえるために外へ出るという目新しさ、人が集まること、拡散のしやすさ、そして外に出ながら空想の世界へ逃避するという逆説。これら相互に絡み合った要素はどれも唯一無二で、再現するのは極めて困難です。
それでもNianticは試みました。Harry Potter: Wizards Unite(2022年に終了)、Pikmin Bloom(今も稼働中ですが、耳にしたことはありますか)、NBA All-World(終了)、Catan: World Explorers(終了)、Transformers: Heavy Metal(中止)、Marvel World of Heroes(中止)。
そしてどれも同じ構造です。「何か」を手に入れ、外に出て歩いてその「何か」を育て、他の人と競い、より良い「何か」を得る。
こちらでレビューしたPeridotはもう少し新しさがあり、いまも続いていますが、無料で遊べる範囲の制約に対する懸念が高まっています。ごく短時間で制限がかかり、先へ進むには課金が必要になるのです。
NianticはMonster Hunter Nowの開発も続けていますが、その構造もやはりポケモンGOによく似ているように見えます。
ここから読み取れること: 新しい機会が訪れるたびに、自分を作り直しましょう。過去の成功も失敗も手放し、白紙から始めるのです。いまの潮流を見渡し、高い視点を取り、新しい技術と新しい伝達手段を調べてください。あらゆる角度から深く考えること。この新しい挑戦には、あなたの経験と学びのすべてを、いまの状況に合わせて注ぎ込む必要があります。
遊びで、Nianticに関連する例を2つ想像してみましょう。
ゲームに従来のNBAを使うのではなく、ファンタジーバスケットボールを使う。現在、18歳以上のアメリカ人の24%がスポーツベッティングに参加しています。利用者の居住地に紐づいたサブリーグをつくる方法はないでしょうか。
そしてハリー・ポッターなら、音声認識とジェスチャー認識はいまやかなり実用的です。魔法界における呪文とは、まさにそういうものではないでしょうか。ここには探る価値のある何かがあるはずです。
同じやり方でご自身のアイデアを掘り下げたいですか。こちらから面談をご予約ください。壁打ち役を務めます。
今週のニュース:
- 先週Metaから新しい研究が公開され、ヘッドセットとコントローラーの位置情報だけから利用者の全身の動きを再構成するAIの学習に成功したことが示されました。
完璧ではありません。愉快な失敗例は動画の終盤でご覧いただけます。それでも大きな前進です。忘れないでください。VRにおいて「その場にいる感覚」は非常に重要であり、自分と他者の動きが自然であることは、優れた体験を届けるうえで決定的です。 - Appleは付随商品の商機を逃しません。多くの企業がアクセサリーづくりに乗り出しています。Vision Proにも独自のカスタマイズ品が出ると見てよいでしょう。発売前だというのに、Caviarという会社が4万ドルの特別版を発表しました。それは必要でしょうか。関連して、カルティエCEOのシリル・ヴィニュロンによるなぜ私たちはますますラグジュアリーを必要とするのかもお読みください。
出典: Caviar - 主要ゲームエンジンのUnityもAIの潮流に加わりました。引用します。「遊ぶときも、つくるときも、あらゆるゲームがAIに触れることになる」。
制作側については、ChatGPTとStable DiffusionをUnityに「とりあえず」組み込み、開発者の作業を支援します。
ゲームプレイ側では、制作者がキャラクターにAI駆動の振る舞いを持たせられるようになります。これが潮流です。品質基準を満たすだけの水準に届くでしょうか。 - 関連して、主要なゲーム配信プラットフォームであるSteamが、AI生成のアートを使ったゲームを差し止めていると報じられています。あるいは、いま多くのプラットフォームがそうであるように、まだ方針を模索している段階なのかもしれません。大手スタジオへの影響はさほど大きくないでしょうが、個人制作者は打撃を受ける可能性があります。彼らはしばしば一人で制作しており、AIの支援は大きな時間の節約になるからです。
ポッドキャストから
毎週、Guillaume BrincinとSébastien Spasとともに、ポッドキャストLost In Immersionをお届けしています。今週の内容は次のとおりです。
- 先週取り上げた、Nianticがリワード広告を導入した件について、ポケモンGOとその後の作品を絡めて話しました。収録時点では人員削減が起きるとは知らず、知っていれば結論は違っていたかもしれません。主に、この広告がどれほど押しつけがましいものになるか、そしてNianticが他のプラットフォームと同様に広告の最適化を行うのかについて議論しました。
Nianticのリワード広告 - 続いて3DFY.aiを試しました。AIで3Dアセットを生成できると謳うプラットフォームです。当然ながら厳しめに検証したところ、期待外れでした。既存の3Dモデルの蓄積から引っ張り出し、指示に応じて少し調整しているように見えます。うまくいかないことも多く、ゼロからモデルを生成しているとは到底思えません。
私の見立ては、複数の手法の組み合わせです。おそらく画像を生成し、そこから3Dモデルを起こしているのでしょう。
惜しいけれど、そうではない、という印象です。 - 次に、建設現場におけるARの活用の進展を見ていきます。ヘッドセットを使う用途はまだ主流とは言えませんが、手持ち端末に居場所は残っているのでしょうか。
vGIS.io - 締めくくりに、最初の「メタバース」であるSecond Lifeの20周年を祝います。いまも生き続けていること自体が驚きであり、その最大の理由は非常に強固なコミュニティにあります。そう、仮想世界とは社会的な場所であり、それこそがMetaのHorizonsをはじめ多くの仮想世界に欠けているものなのです。
Second Life
下のポッドキャストをご覧ください。毎週火曜UTC10時にTwitchで配信、アーカイブはYoutubeでご覧いただけます。
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