ブレイン・コンピュータ・インターフェースの倫理 - Digital Explorers' Diary #47

Digital Explorers' Diary #47

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インタラクティブ技術、AI、web3、センスメイキング、起業、心理学をめぐる、考えるきっかけになるトピックを厳選してお届けします。

今回の要点:

  • ブレイン・コンピューター・インターフェースの台頭と、それに伴う倫理の問題。
  • AIツールを次々と投入し続けるAdobe。
  • 汎用人工知能に向けたイーロン・マスクの新事業。
  • RobloxがQuestで利用可能に、ZoomはHorizon Workroomsへ。

BCIと技術の倫理

ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)は成長を続ける技術分野であり、それとともに新しい倫理的な問いが生まれています。

もう何年も前から、多くの研究室やスタートアップが、脳波計を使って脳内で何が起きているかを読み取る試みを続けてきました。より最近では、脳と機械のあいだで双方向のやりとりを可能にするため、イーロン・マスクのNeuralinkのような企業が直接埋め込む方式に取り組んでおり、同社は先ごろヒト試験の承認を得ました

応用の可能性は数多くあります。

まず医療分野です。こうした装置はパーキンソン病やてんかんといった疾患を治し、脳卒中を防ぎ、遠い将来を見据えれば、脳に起因するあらゆる問題に働きかけられるかもしれません。

最も差し迫った応用はアクセシビリティです。BCIは、麻痺のある人が世界と関わる手立てになります。コンピューターを使う、意思を伝える、電動車椅子を動かすといったことです。

さらに先には消費者向けの応用があります。キーボードもマウスも不要になり、コンピューターにしてほしいことを直接思い浮かべるだけで、ミリ秒のうちに実行され完了する。そんな世界を想像できますか。

もっと先を思い描いてみましょう。AIを備えた機械と人間が完全に融け合い、相互につながった存在のネットワーク、一つの心を持つ惑星が生まれる。アバターを思い浮かべてください。ただし私たちがつながる相手は自然ではなく、デジタルです。

これがどう転びうるかについては、ここでは広げません。きっといくらでも思いつくはずです。もちろん、これは何年も先の話です。しかしBCIが道を踏み外すのを待つ必要はありません。実のところ、それはすでに起きています。

一例を挙げます。数年前、あるオーストラリアの女性が、脳内のてんかんの兆候を検知して発作の可能性を知らせる装置を埋め込まれました。彼女はそれが人生を変えたと語っています。自立でき、生まれ変わったようで、その装置と「一つになった」のだと。

しかし残念なことに、その装置をつくっていた企業が破綻し、彼女は自らの意に反してそれを手放さざるを得ませんでした。ブレードランナーめいたこの話は、極めて重要な問いを突きつけます。BCI装置を取り除くことは倫理に反するのか。あるいはこの論文が示唆するように、それは人権の問題なのか。

この分野が立ち上がりつつある今だからこそ、早いうちに問うべき本質的な問いです。技術が一段進むたびに、賭け金は大きくなります。AIよりさらに大きな規模で、良い方向の影響は目覚ましく、悪い方向の影響は恐ろしいものになります。

今週のニュース:

  1. イーロン・マスクが次の事業X.aiの設立を発表しました。優秀な頭脳を集めたごく少人数のチームに、一人あたり非常に大きな計算資源を割り当て、極めて速い開発ペースを計画しており、最初のリリースはわずか数週間先だといいます。彼らの目標は「宇宙の真の姿を理解すること」。要するに、人類の価値観を踏まえた新しい人工知能、「最大限に好奇心の強い」AIをつくることです。安全なAIをつくる道はそれしかない、とマスクは述べています。私はこれをどう受け止めるか迷っています。マスクには的確な未来予測の実績(Tesla、SpaceX)がある一方、暴走することでも知られ、賛否は別として強い信念を持つ人物です。忘れないでください。現在のモデルでは、AIが結論を導くのにどんな事実の集合を使ったのかが分かりません。だとすれば、X.aiが根源的な問いに答えを出そうとするなら、そのチームはまったく異なるモデル構造、すなわち自らの結論を説明できる構造を設計する必要があります。さもなければ、誰がそれを信じるでしょうか。
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  2. Metaから2つの続報です。
    最も利用されている仮想世界の一つRobloxが、Questのヘッドセットで利用可能になります。これは朗報です。Metaは長らく大規模な利用者コミュニティを求めてきたからです。またZoomがHorizon Workroomsに統合されます。これは会議にまつわる手間を減らすことで、Horizonの普及を後押しするでしょうか。
    忘れないでください。企業の現場の実態は、SNSに流れてくるものとはまるで違います。広く使われているツールで会議設定の手間を減らせば、普及は進む可能性が高いでしょう。Meta
  3. 関連して、AdobeはAI支援によるクリエイティブの取り組みをさらに進め、次のメディア生成AIツール「Project Gingerbread」のプレビューを公開しました。単純な3Dの形状を下地に使うことで、出力をより緻密に制御できます。
    Stable Diffusionでも同様のことは可能ですが、Adobeのツールはこれほど広く使われ、扱いやすいので、ここでもやはり普及を後押しするでしょう。
    Filip SzymanskiのTwitterより。

ポッドキャストから

毎週、Guillaume BrincinSébastien Spasとともに、ポッドキャストLost In Immersionをお届けしています。今週の内容は次のとおりです。

  1. 今回の記事は、この議論から着想を得ました。VRヘッドセットに組み込まれたBCIであるGaleaの装置を取り上げます。まだ研究段階ですが、主眼はアクセシビリティに置かれています。現時点のBCIにとって最も手の届きやすい成果だからです。注目すべきは、脳波だけを使っているわけではない点で、顔の筋肉の動きも捉え、視線追跡も備えています。
  2. 続いて、BMWのARグラスを見ていきます。優れたデザインを除けば、それ以外は実用的とも安全とも言いがたく、寄せられた評価もかなり手厳しいものでした。
  3. 関連して、Audiの最新コンセプトカーにはダッシュボードがありません。代わりに、すべての情報がMR端末Magic Leapを通じて運転者に届けられます。コンセプトカーの目的は未来を示し、革新の力を見せることにあります。見事な達成ですが、ここでもやはり、こうした仕組みが有用性を証明するまでには長い年月がかかるでしょう。すべての車が自動運転になるまでは難しいかもしれません。
    全編は下の動画でご覧ください。
  4. 主要ゲームエンジンのUnityがAIの時代に踏み込み、さっそく開発者の怒りを買っています。OpenAIと同様、利用者が生成したデータが追加学習に使われるためです。プログラマーにとってコードは自らの創作物であり、それを「盗まれる」のは受け入れがたい。この種の問題をさらに掘り下げたい方は、こちらの記事をご覧ください。

下のポッドキャストをご覧ください。毎週火曜UTC10時にTwitchで配信、アーカイブはYoutubeでご覧いただけます。

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