ブランドはメタバースでどう広告を打つか - Digital Explorers' Diary #56

Digital Explorers' Diary #56

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インタラクティブ技術、AI、web3、センスメイキング、起業、心理学をめぐる、考えるきっかけになるトピックを厳選してお届けします。

今回の要点:

  • ブランドはメタバースでどう広告を打つのか。
  • Quest 3、Ray-Banのスマートグラス、そしてリアルなアバターを含むMeta Connectのニュース。

ブランドはメタバースでどう広告を打つのか

先週の会食で、ある方からこう尋ねられました。「ブランドはメタバースでどうやって広告を打つのですか」。

メタバースとは

まず「メタバース」という言葉から見ていきましょう。これは何を指しているのか。理屈のうえでは、メタバースとは没入技術がインターネットと融合する場です。働き、学び、遊ぶために、いつでも入っていける集合的な仮想空間のことです。

はっきり言っておきます。メタバースはまだ存在しません。存在するのは今日のところ、メタバースになり得る可能性を持った数多くのプラットフォームです。最もありそうなのは、社会に複数のSNSがあるのと同じように、メタバースも一つではなく複数になる、という姿でしょう。

SNSにはそれぞれ異なる用途と利用者層がありますが、同様に、今のところメタバース候補であるプラットフォームにもそれぞれの性格があり、分析が必要です。RobloxThe SandboxSpatialのようなバーチャルワールド系。ポケモンGOのようなソーシャルゲーム。そして数多くの個別につくられた体験。もちろん大手もいます。MetaはHorizon Worldを持ち、MicrosoftはMeshを公開したばかりです。

便宜上、以下では上記のすべてを指して「メタバース」という言葉を使います。

広告業界の危機

2023年、広告業界は多くの課題に直面しています。GDPRのようなプライバシー規制は存在するものの、代理店と広告プラットフォームのあいだに組み込まれた多極的な罠は現状のまま動かず、利用者とブランドが本当に必要としているものに追いついていません。この業界に必要なのは、信頼、プライバシー、そして当てにならない指標や投資対効果の数字の裏側にある新しいモデルです。掘り下げたい方は、UM Worldwideの元Chief Privacy & Responsibility OfficerであるArielle Garciaによるこの公開辞任表明をご覧ください。

対照的に、今日多くの利用者にとって、メタバースの登場は信頼、敬意、包摂、自己表現への希望の灯となっています。web3やブロックチェーンといった分散型の技術は、利用者自身が握るプライバシーを想起させます。仮想世界の自由に変えられるアバターは自己表現の原動力です。つながりを重視し、コミュニティが主導し、社会性を第一に置く姿勢は、関与を促し、言語と距離を超えていきます。要するに、メタバースは誰にとっても安全な場所であるべきなのです。

メタバースと広告

新しい場には、新しい広告の作法が必要です。当たり前を言う危険を承知で申し上げますが、メタバースの利用者はバナーや押しつけがましいターゲティング広告のような、従来型の広告を見たくはありません。

しかしブランドが利用者に主導権を委ねれば、その効果は驚くほど大きくなり得ます。2023年のバービー現象が利用者に牽引されたのと同じように、丁寧に練られたメタバース体験は大きな成功を収めてきました。そのいずれにおいても、どのブランドと関わるかを選ぶのは利用者です。良い実例として、RobloxのRestaurant Tycoon2,000万点の仮想アイテムを売った、氷菓ブランドのBomb Popを挙げられます。

独自のブランド世界であれ、SNSのフィルターであれ、AR体験であれ、それはたいてい利用者とブランドの共同制作です。メタバースでの施策は、関わる全員にとって意味のあるものでなければなりません。そしてそれが果たされたとき、ブランドへの忠誠と顧客生涯価値を育てる力になります。

丁寧につくられたメタバースの広告は、もはや広告のようには感じられません。それ自体が一つの体験になるのです。

ちなみに、この進め方について私と一緒に考えたい方は、こちらまたはLinkedInからご連絡ください。

今週のニュース:

先週はMeta Connectカンファレンスが開かれ、共有すべきニュースが山ほどあります。

  1. 最大の発表はQuest 3の発売です。500ドルからという価格は非常に競争力があり、初のマス市場向けMRヘッドセットになる道を歩んでいるかもしれません。
    発売は10月10日ですが、有線接続の実機を試せる店舗に行ってきました。視野角と解像度が上がったことで、より精細で没入感のある体験になっています。Quest 2からの進歩は相当なものです。MRのビデオパススルーも試せました。もちろん現行のパススルー技術に本質的につきまとう理由から歪みはまだ残っており、とくに手の周りで目につきます。また、ごく近くの物を見たときに、歪みの波が絶えず生じるのにも気づきました。とはいえそれを除けば、パススルーは見事です。色は良好で、物のスケール感も現実に近く感じられます。
    実際の条件で試すのが待ちきれません。心躍るヘッドセットです。
    Meta
  2. 関連して、Quest 3では利用者が自分の環境にアプリを固定でき、それが時間をまたいでその場に残り続けます。Augmentsと呼ばれるこの機能は、Appleにやってほしかったことそのものであり、MRの的を射たユースケースです。見事です、Meta。
    Meta
  3. Ray-Banとの提携を引き続き活かし、Metaがスマートグラスを刷新しました。SNS利用者とインフルエンサーを狙ったこのウェアラブルには、FacebookやInstagramへライブ配信するためのカメラと、「Hey, Meta!」と呼びかけて起動するAIアシスタントが備わっています。
    Meta
  4. そして、一般に届くまで何年もかかる技術デモにすぎないとはいえ、Lex FridmanとMark Zuckerbergの対談は圧巻です。AIがリアルタイムに生成する3Dアバターを使っており、現時点では高価なスキャン装置を必要とします。ただLexさん、申し訳ないのですが、これは「メタバースの中」ではありません。ただの空っぽの仮想空間です。

ポッドキャストから

毎週、Guillaume BrincinSébastien Spasとともに、ポッドキャストLost In Immersionをお届けしています。今週の内容は次のとおりです。

  1. Meta Quest 3の発売直前に、このヘッドセットへの期待を語りました。詳しくは上の説明をご覧ください。そして私たちの懸念の一つは解消されました。Metaがついに企業向けの端末管理ソリューションを出したのです。
    Meta
  2. 続いて、Unityブログの公開書簡で説明されたUnity3Dの価格改定について話しました。要するに、より透明で安価な料金体系へ戻したということです。良い判断ですが、残念ながら信頼は失われました。Unityはこれを乗り越えられるでしょうか。
  3. Guillaumeが3D Gaussian Splattingのシーンをいくつか試してくれました。試行と調整を経て、目を見張るレンダリングをいくつか生成できたそうです。この技術が仮想体験、さらには映像制作に及ぼす影響は非常に大きくなるでしょう。Appleの空間ビデオに対する有力な対抗馬です。

下のポッドキャストをご覧ください。毎週火曜UTC10時にTwitchで配信、YoutubeSpotifyApple PodcastsGoogle PodcastsAmazonでも聴けます。

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東京、Paris、Los Angelesを拠点に世界中のブランドのサポートをしています。

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