ウォルマートのバーチャル試着 - Tech Insiders News, 2022年9月

インタラクティブ技術、AI、web3、センスメイキング、起業、心理学について、「ノイズより信号」を重視して選んだリンク集です。
カバー画像はMidjourneyによる生成。プロンプトは「ファッションのささやきが響くカーボンニュートラルな仮想世界」(下記のリンクから着想を得ました)。画像の全体は記事の末尾に掲載しています。
- Walmartが、ガイドに沿ってセルフィーを撮ることで衣服をバーチャル試着できる新機能をアプリに展開しています。
なぜ重要か: 手元に数字はありませんが、ファッションはEコマースでの購入後の返品が最も多い業種の一つだったはずです。これは消費者の信頼を高める良い一歩です。
気になるのは: サイズの推定も行っているのでしょうか。バーチャル試着の難所はまさにそこです。スタイルを確かめるにはよく機能しますが、サイズはまた別の、はるかに厄介な問題なのです。 - OpenAIがWhisperを公開しました。最新のオープンソースの音声認識プログラムです。
なぜ重要か: 開発者コミュニティはいま沸き立っており、新しい「AI」が出るたびに即座に飛びつきます。Whisperは際立って性能が高いようで、文字起こしと翻訳を一変させる可能性があります。 - 先週、NvidiaのGTC(GPU Technology Conference)が開かれ、心躍る発表が数多くありました。ここでは二つ取り上げます。Omniverse Cloudは、仮想世界*をサービスとして提供するための構成要素をまとめたものです。そしてNvidiaのCEOジェンスン・フアンは、これからの仮想世界がAIの助けを借りて自動的に生成され、住人が配置されるようになると説明しました。(論文へのリンクはこちら)
なぜ重要か: Nvidiaは、仮想世界の制作が誰にでも手の届くものになる未来を描き、そして実際に築こうとしています。声で世界を説明すれば、クラウド上で自動的に生成されるのです。
*メタバースと言うこともできましたが、流行語は避けておきましょう。
思考実験として、Stable Diffusionに「森、砂浜、川、山のあるビデオゲームのマップを真上から見た図」を生成させてみました。まずは第一歩です。 - 今月は各地でファッションウィークが開かれました。ファッションとラグジュアリーは、メタバースという話題に最も真剣に向き合っている業種であり、NFT、協業、多数の仮想世界への出展を進めています。今週取り上げるのは、BaiduおよびStyle3Dスタジオと組んだスポーツウェアブランドAntaによるバーチャルファッションショーです。
なぜ重要か: 仮想世界を使うブランドは、現代的で(Z世代に届き)、費用効率が高く、環境にも優しい。最後の点については少し疑問もあります。これだけのサーバーとGPUが大量の電力を使うからです。とはいえ、砂漠でファッションショーを開き、モデルとスタッフを飛行機で運ぶよりはましでしょう。いや待ってください、あちらはカーボンニュートラルだったようです。……うーん。何事も一筋縄ではいきませんね。 - 関連して、社会的な面と、物事をどう捉えるかという面の両方に関わる話です。AIモデルをつくる手法の一つに、画像などのデータを大量に集め、それを人手で分類するというものがあります。作業者は画像内の対象を枠で囲み、これは車、これは自転車、といった具合に印を付けます。これについて二つの記事を見つけました。一方はケニアにおけるそうした作業者の劣悪な労働条件を描き、もう一方はインドで生まれた雇用を称えています。似た仕事に対する二つの異なる見方です。この仕事は単調で賃金も低いのですが、では仕事がまったくない場合と比べて、一日8時間パソコンの前に座る彼らのほうが恵まれていると考えてよいのでしょうか。それを判断する資格が私たちにあるのでしょうか。そもそも仮想世界の中でデータが学習されるようになれば、これらの仕事は遅かれ早かれ消えるのではないでしょうか。