アプリは死んだ、アプリよ永遠なれ

The Apps Are Dead, Long Live the Apps!

コーディングエージェントは今や、動作するウェブサイトやアプリケーションを数分で生成できます。まだ試していない方には、本当に衝撃的な体験です。ほしいものを説明すると、機能するアプリが現れる。ちゃんと動き、自分の用途に合っていて、App Storeで代替品をダウンロードするより短い時間で出来上がります。

いまのところ、この力は主に開発者の手にあります。内部で何が起きているかを理解しているぶん、可能性にいち早く気づくからです。しかしこれは長くは続きません。インターフェースは簡素になり、障壁は急速に下がっています。パーソナライズされたアプリ生成が誰にでも手の届くものになるまで、年単位ではなく月単位の話でしょう。

そしてそうなったとき、私たちが端末とアプリをどう使うかの均衡は、根本から組み替わります。

Soraという先例

この転換の一端は、すでに目にしています。OpenAIのSoraは、AI生成動画だけで構成されたTikTok風のフィードを丸ごと生み出しました。生成ツールから生まれた、新しいコンテンツの生態系です。

私の予想はこうです。まもなくOpenAIかAnthropic、あるいは別の主要プレイヤーが、誰もが自分だけの超個人化された体験をつくれる専用の場を投入するでしょう。ダウンロードして設定する静的なアプリではなく、使い方に応じてリアルタイムに適応する動的なエージェントです。

アプリはもう、数百万人のためのものではありません。アプリは、あなたのためのものになります。

実際にはどう見えるのか

この転換が最も強く効いてくる領域を、いくつか見ていきましょう。

語学学習

Duolingoは規模を前提に設計されています。レッスンの構造は誰にとっても同じで、回答に応じてわずかに調整される程度です。ここで想像してみてください。あなたの母語の癖を把握し、実際の文章や発話からデータを引き出し、あなたがつまずいている特定の文法パターンを理解し、日々進化していく学習計画を組み立てるAIエージェントを。数百万人のために設計されたカリキュラムではなく、一人のために設計されたカリキュラムです。

私は日本語を学んでいますが、汎用アプリが提供するものと、パーソナライズされたエージェントがやっていることの差は圧倒的です。先週自分用につくってみたところ、すでに上達の速度が上がるのを感じています。すでに知っている項目に時間を溶かすことがなくなりました。

生産性

この5年で、いくつのタスク管理アプリを使ってきましたか。Todoist、Notion、Things、Asana、Linear、Trello。半年ごとに、ついに人生を整理してくれると謳う新しいツールが現れます。問題はツールではありません。問題は、システムを回しているのが依然としてあなた自身だという点です。

AIエージェントはこれを丸ごと反転させます。タスクを整理し、期限だけでなく実際の行動パターンに基づいて優先順位をつけ、メールを仕分けし、大事なことを大事なタイミングで浮かび上がらせる。あなたは生産性システムの管理をやめて、生産的であることそのものを始められます。

旅行の計画

いま旅行を計画するということは、航空券比較サイトのタブを5つ開き、ホテルのレビューサイトを見て、Googleマップを開き、同行者と共有ドキュメントをやりとりすることを意味します。あなたの好み、予算、ペース、興味を知っていて、乗り継ぎが嫌いなことも、歩いて回れる街が好きなことも分かっているAIエージェント。そいつが、計画をそのまま差し出してくれる。あなたは調整し、確定し、出発するだけです。

健康とフィットネス

あなたが4時間しか寝ていないのか9時間寝たのかも知らないアプリが出す、汎用の12週間プログラムではありません。進捗を追い、メニューを組み替え、その日の元気さ、睡眠データ、回復状況に応じて調整するエージェント。パーソナルトレーナーの料金なしに、本当にあなたを知っているパーソナルトレーナーです。

住まい探し

いまの不動産アプリで絞り込めるのは、価格と部屋数くらいです。AIエージェントは、あなたの実際の生活で絞り込みます。職場までの通勤時間、ジムからの近さ、周辺の騒音レベル、子どもの学校からの距離、徒歩での暮らしやすさ。200件の物件を並べたりはしません。本当に意味のある5件だけを見せてくれます。

そしてさらに

マッチング。個人の資産管理。献立の計画。どこでも構図は同じです。数百万人向けにつくられた汎用アプリは、一人のためにつくられたパーソナライズされたエージェントに、じわじわと押されていきます。

アプリ開発者へのシグナル

これは遠い未来の話ではありません。部品はすでに揃っています。コーディングエージェントは実用的で、AIモデルはユーザーごとに動かせるほど安価になり、非エンジニア向けのインターフェースも急速に良くなっています。

もしあなたが、幅広い利用者に標準化された体験を届けるアプリをつくっているなら、問いはいたって明快です。自分のプロダクトをどう進化させれば、エージェントに置き換えられる側ではなく、パーソナライズされたエージェントそのものになれるのか。

その答えを見つけた企業は伸びるでしょう。汎用のユーザー向けに汎用の体験を出し続ける企業は、自分たちの利用者が静かにもっと良いものを自作していくのを、ただ眺めることになります。自分のために、自分の手で。

最初に地殻変動が起きるアプリ分野はどこだと思いますか。ぜひご意見を聞かせてください。このメールに返信いただくか、LinkedInでお声がけください。

本稿は、AIが働き方と暮らし方をどう組み替えつつあるのかを追う連載の一部です。煽りでも、恐怖でもなく、この領域で日々手を動かしている人間による、率直な観察です。

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