XRの十戒 その7 - 画面ではなく、空間を使う

7️⃣「XRの十戒」シリーズの最終回として、第7の戒めを見ていきましょう。空間コンピューティングという言葉には、やはり意味があるはずです。バズワードとしてではなく、身体性と動きはXRにとって本質的な要素です。大ヒットVRゲーム『Beat Saber』が、避け、斬り、しゃがませてくることを思い出してください。プレイヤーは体験を身体で引き受けているのです。MRの施策は、デジタルのレイヤーを現実世界に固定します。奥行きと動きを前提に設計すれば、シンプルなコンテンツでも驚くほど効果的になります。
覚えておきたい4つの原則です。
- UIとユーザージャーニーを空間化すること。ボタンや仮想の要素をユーザーのまわりに配置し、手を伸ばさないと届かないようにします。
- 全身を使う動きを促すこと。ジャンプする、身を乗り出す、かがむ。身体を伴う体験は、静かに眺めるだけでは決して得られないほど強く記憶に刻まれます。いつ動き、いつ休めばよいかが分かるよう、明確な音と映像の合図を出すことも忘れずに。
- デジタルと物理を溶け合わせること。MRを使って、文脈に応じた要素を適切な面に配置しましょう。壁、床、テーブル、ソファは、いまや多くのヘッドセットが認識できます。これを味方につけてください。体験は部屋の中で起きるのではなく、部屋とともに起きるべきです。
- 快適性とアクセシビリティに配慮すること。『マイノリティ・リポート』風に腕を掲げ続けるとすぐに疲れますし、立ちっぱなしや移動を前提にすると参加できない人も出てきます。着座モード、ショートカット、手の届く距離の調整機能を用意しましょう。
簡単なチェックリスト:
- 文脈を忘れないこと。ジャンプは自宅なら楽しくても、展示会では奇異に映ります。
- 長時間の体験では、操作領域を無理のない距離に保つこと。
- 長くて退屈な移動は避けること。ポータルやテレポートを使いましょう。
- アクセシビリティのため、操作モードを切り替えられるようにすること。
- 使える技術はすべて活用すること。AIによる物体認識、メッシュによるオクルージョン、視線やハンドトラッキングなど。
逆の視点: ここでも第9の戒め、つまり文脈を忘れないでください。バーチャル研修に凝った空間インターフェースは不要で、必要なのは効率と正確性を最大化することです。瞑想アプリはもちろん動きを最小限にしますし、アクセシビリティを前提に設計された体験には、専用のユーザー体験が欠かせません。
XRの施策を設計中ですか。ユーザーが一度も身を乗り出したり、かがんだり、角の向こうを覗き込んだりしないのなら、ぜひお話ししましょう。彼らのまわりには、使われていない空間が広がっています。😉
